シーリングの「打ち替え」と「増し打ち」。見積書のこの1行で20万円変わります
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日
見積書に「シーリング工事」と1行だけ書いてある。──これ、実は金額が2倍以上変わる項目です。同じ「シーリング工事」でも、やり方が2つあるからです。
打ち替えと増し打ち、何が違うのか
| やり方 | 作業 | 単価(名古屋市内) | もち |
|---|---|---|---|
| 打ち替え | カッターで既存のシーリングを撤去 → 清掃 → プライマー → 新しく充填 | 900〜1,300円/m | 10年前後 |
| 増し打ち | 既存の上から重ねて充填するだけ | 400〜600円/m | 数年〜(下が切れれば一緒に切れる) |
木造2階建6戸のアパートで、シーリングの長さはだいたい250〜350mあります。単価が500円違えば、それだけで12万〜17万円の差。3階建なら20万円を超えます。
なぜ増し打ちだと持たないのか
シーリングは、目地の両側の壁にくっついて、建物の動きに合わせて伸び縮みします。ところが増し打ちの場合、新しいシーリングは「古いシーリングの上」にくっついているだけです。
下の古いシーリングは、すでに硬くなって切れかけています。それが動けば、上に重ねたものも一緒に持っていかれます。3〜5年で切れることも珍しくありません。
もうひとつ、増し打ちは厚みが確保できません。シーリングは10mm程度の厚みがあって初めて伸縮に耐えます。上から薄く盛っただけでは、その性能が出ません。
サッシまわりです。ここは既存のシーリングを撤去しようとすると、カッターの刃が防水紙を傷つける危険があります。構造上、撤去できない納まりも多い。だからサッシまわりは増し打ちが標準です。
問題なのは、外壁の目地(ボードとボードのつなぎ目)まで増し打ちにしてあるケース。ここは撤去できる場所なので、打ち替えが基本です。
見積書のどこを見ればいいか
- 「シーリング打ち替え ○○m × ○○円」と書いてあるか
- サッシまわりと外壁目地が分けて書いてあるか(分けている会社は、ちゃんと考えています)
- 材料名が書いてあるか(変成シリコン系が一般的。塗装をかぶせられるタイプ)
- 「一式」しか書いていない場合 → どちらなのか必ず聞いてください
そもそも、シーリングだけ先にやるべき?
よく聞かれます。答えは「足場が要るかどうか」次第です。
2階建で手が届く範囲なら、シーリングだけ先にやることもできます。ただし3階建以上は足場が必要で、足場代が50〜70万円かかります。シーリング工事20万円のために足場を60万円かけるのは、明らかに損です。
この場合は、外壁塗装のタイミングまで待つか、逆に「もう塗装も近いから今まとめてやる」かの判断になります。私たちは診断のときに、外壁の塗膜の残り年数も見て「あと何年待てるか」をお伝えしています。
シーリングを指で強く押してみてください。押した跡がすぐ戻れば、まだ生きています。硬くて凹まない、あるいは表面がひび割れて粉が出るようなら、硬化が進んでいます。1階部分なら自分で確認できます。
私たちの見積書の書き方
「シーリング打ち替え 310m × 1,100円 = 341,000円」「サッシまわり増し打ち 85m × 700円 = 59,500円」——このように、やり方・数量・単価を分けて書きます。
どこを削ればいくら下がるかが見えるので、ご予算に合わせた調整もできます。他社様の見積書と並べていただければ、何が含まれていないかもはっきりします。
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