空室が埋まらない。家賃を下げる前に、外装でできること
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日
空室が続くと、まず家賃を下げる話になります。ただ、家賃を1万円下げるということは、年12万円、10年で120万円を手放すということです。しかも一度下げた家賃は、上げ直すのがとても難しい。
その前に、外装で手を打てないかを考えてみてください。内見に来た人が「ここに住みたい」と思うかどうかは、部屋に入る前の30秒でかなり決まっています。
内見の30秒に、何が起きているか
お客様は、こういう順番で建物を見ています。
- ① 建物の前に着く(外観全体・エントランス・ゴミ置き場)
- ② 共用廊下・階段を歩く(床・手すり・照明・ポスト)
- ③ 玄関ドアの前で待つ(ドアの塗装・郵便受け・表札まわり)
- ④ ようやく部屋に入る
つまり③までで、すでに印象が固まっています。ここで「管理されていない建物」と感じられると、部屋の中がどんなに良くても、その印象を覆すのは難しい。
決まらない物件に共通する3つの見た目
① 共用廊下の床が傷んでいる
内見のお客様がいちばん長く歩くのが共用廊下です。塗床が剥がれて下地が見えていたり、雨の日に滑ったりすると、それだけで管理状態を疑われます。
長尺シート(防滑シート)に張り替えると、印象が大きく変わります。80㎡で44〜64万円。足場が要らないので、外壁とは別のタイミングでもできます。
② 鉄骨階段のサビ
階段を上がるときに手すりのサビが手についたら、その時点で気持ちが引きます。単身女性の内見では特に致命的です。
鉄部の塗装は5〜7年周期で、大規模修繕とは別に単独でもできます。1棟25〜45万円。安全面でも必要な工事なので、優先度は高いです。
③ 外壁の色あせと汚れ筋
とくにベランダ下や窓下の黒い汚れ筋は、建物を実年齢より10年古く見せます。低汚染塗料で塗り替えると、雨で汚れが流れ落ちるようになり、次の10年きれいなままです。
数字で比べてみます
| 打ち手 | 費用(6戸のアパート) | 効果 |
|---|---|---|
| 全戸の家賃を1万円下げる | 年72万円の減収(毎年) | 問い合わせは増えるが、収入が恒久的に下がる |
| フリーレント1ヶ月 | 1戸につき6万円 | 決定率は上がるが、更新時に退去されると繰り返しに |
| 広告料(AD)を1ヶ月上乗せ | 1戸につき6万円 | 仲介会社は動きやすくなるが、物件の魅力は変わらない |
| 共用廊下の長尺シート | 44〜64万円(1回) | 13〜15年もつ。既存の入居者の満足度も上がる |
| 外装一式(木造6戸) | 180〜320万円(1回) | 12〜15年もつ。建物の寿命そのものが延びる |
外装工事は1回きりの支出ですが、家賃の値下げは毎年続く減収です。6戸で1万円下げれば、10年で720万円。外装工事(180〜320万円)を2回できる金額です。
もちろん、工事をすれば必ず埋まるわけではありません。ただ、「下げる前に、他にやれることはないか」を一度考える価値はあります。
予算が限られているなら、動線の順に
全部やる必要はありません。内見のお客様が目にする順番に予算を配分します。
- 1位:共用廊下・階段の床(いちばん長く歩く場所)
- 2位:鉄骨階段・手すりの塗装(触る場所。安全面でも必要)
- 3位:エントランスまわり(ポスト・照明・表札板の交換は数万円で済むことも)
- 4位:外壁の塗り替え(費用は大きいが、効果も大きい)
- 5位:屋根(内見では見えません。ただし雨漏りは別)
ポストの錆びた表示を貼り替える、切れた共用灯をLEDに替える——数万円でできることも意外とあります。費用対効果で言えば、ここがいちばん高いこともあります。
工事の時期は、繁忙期を外す
賃貸物件でいちばん避けたいのは1〜3月の工事です。足場とメッシュシートで建物が覆われていると、1年でいちばん大事な入居シーズンに、建物を見てもらえません。
4〜5月または9〜11月に工事を終えて、繁忙期をきれいな状態で迎えるのが理想的な組み方です。
ご予算をお伝えいただければ、その範囲で入居率にいちばん効く組み合わせをご提案します。全部まとめて提案して、金額で驚かせることはしません。診断・お見積りは無料です。
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