修繕費が手元にない。分割払い・リフォームローンという選択肢

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

やるべきなのは分かっている。ただ、300万円が手元にない。——この状態のご相談は珍しくありません。

結論から言うと、方法はいくつかあります。ただし「借りてでもやるべき工事」と「待っていい工事」があるので、そこを分けて考えます。

まず、借りてでもやるべきか

状態 判断
雨漏りしている 借りてでもやる。放置で内装まで傷み、費用が倍増します
鉄骨階段が腐食している 借りてでもやる。事故が起きれば損害賠償の問題になります
タイルが浮いている 借りてでもやる。剥落は所有者責任
外壁の色あせ・チョーキング 1〜2年は待てます。積み立ててからでも遅くない
共用部の見た目 待てます。予算ができてから

判断の軸は「待つと高くつくか」「人に危害が及ぶか」の2つだけです。見た目の工事は待てます。

借りる方法は3つ

リフォームローン
(無担保)
不動産担保ローン プロパーの事業性融資
金利 年2〜5%程度 年1〜3%程度 金融機関との関係次第
借入額 〜500万円程度 物件の評価次第 事業計画次第
審査 比較的早い(1〜2週間) 1ヶ月前後 1ヶ月以上
手続き 簡単 抵当権の設定が必要 資料が多い
向く場面 300万円以内の工事 大きな金額、金利を抑えたい すでに取引がある金融機関

アパート1棟の大規模修繕(200〜500万円)なら、まずは取引のある金融機関に相談するのが早いです。家賃の入金口座がある銀行なら、収支を把握しているぶん話が早いことがあります。

返せるかどうかの計算

月々の返済額 < 月の家賃収入 −(管理費+固定資産税の月割+その他経費)
例:家賃収入36万円/月、経費が10万円/月 → 使えるのは26万円。
300万円を金利3%・10年で借りると、返済は月約29,000円。十分収まります。
年間では約35万円。家賃収入432万円に対して8%程度なので、無理のない範囲と言えます。

逆に、返済が家賃収入の20%を超えるようなら、工事の範囲を見直したほうがいいかもしれません。

ローン以外の方法

  • 工事を2期に分ける:今年は雨漏り対策と鉄部、来年は外壁。ただし足場代が2回かかるので、トータルでは高くなります
  • 棟を分ける:複数棟お持ちなら、1棟ずつ年度を分ける。これは合理的です
  • 塗料のグレードを調整:無機→シリコンで30〜60万円変わります
  • 着手金と完工時の2回払い:多くの会社が対応しています(当社も可能です)
  • 火災保険:台風などの被害が原因なら、風災補償が使えることがあります

「2期に分ける」の落とし穴

予算がないとき、いちばん思いつくのが「今年は半分、来年は残り」です。ただし足場が必要な工事同士を分けるのは、損になります。

  • 木造6戸で、足場代は1回25〜40万円
  • 2回に分ければ、50〜80万円を足場に使うことになります
  • その差額があれば、塗料のグレードを2段階上げられます

分けるなら、「足場が要る工事」と「足場が要らない工事」で分けるのが正解です。長尺シート、1〜2階の鉄部、ベランダ防水は足場なしでできます。

税務の面

ローンの利息部分は経費になります(元本は経費になりません)。また、工事費が修繕費として処理できれば、その年の経費になります。

借入をして工事をした年は、大きな経費が立ちつつ、キャッシュアウトは分散するという形になります。このあたりは税理士の先生とご相談ください。

予算をおっしゃってください
「300万円しか出せない」と最初に言っていただければ、その範囲でいちばん効く組み合わせをご提案します。全部で500万円の見積もりを出してから「予算が…」となるより、お互い早いです。
金融機関の紹介はしませんが、審査に必要な見積書・工事内容の資料は、金融機関が求める形でお出しします。
診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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