2回目の大規模修繕は、1回目と同じではありません

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月10日

大規模修繕の施工写真

1回目の大規模修繕は、正直に言えば「塗ればきれいになる」工事です。築12〜15年なら下地はまだ健全で、塗り替えとシーリングで見違えます。

2回目(築25〜30年)は違います。建物の中身が傷み始めているので、やることの性格が変わります。ここを1回目と同じ感覚で考えると、見積もりを見て驚くことになります。

何が変わるのか

1回目(築12〜15年) 2回目(築25〜30年)
主な工事 外壁塗装・シーリング・鉄部 上記+下地補修・防水更新・鉄骨階段
下地補修 ひび割れ数本、部分的 数量が2〜4倍。爆裂・浮きも出る
屋上防水 1回目では触らないことも 更新が必須の時期
鉄骨階段 塗装で足りる 踏板の交換が必要になることも
付帯部 塗装 雨樋・破風・水切りの交換が入る
費用 基準 1.2〜1.5倍

木造6戸で言えば、1回目が180〜320万円だったところ、2回目は250〜420万円軽量鉄骨3階建なら、鉄骨階段の状態次第で500〜900万円まで振れます。

2回目でいちばん金額が動くのは「鉄骨階段」

ここが2回目の最大の分岐点です。

  • 塗装で足りる → 25〜45万円
  • 部分的に鉄板を当てて溶接 → 45〜90万円
  • 踏板の交換 → 120〜300万円
  • 階段そのものの架け替え → 300万円〜

1回目のときに鉄部をきちんと塗っていれば、2回目でも塗装で足ります。1回目で鉄部を省いた建物ほど、2回目で跳ね上がります。これが「安く済ませた工事」の10年後の姿です。

1回目の工事の質が、ここで露呈します

2回目の診断で、私たちがよく見るもの:

  • シーリングが増し打ちだった → 古い層ごと切れていて、撤去量が増える
  • 下地補修をしていなかった → 同じ場所のひびが広がり、爆裂に発展
  • ケレンが甘かった鉄部 → 塗膜の下で錆が進行し、断面が減っている
  • 防水のトップコートを塗っていない → 防水層が紫外線で傷み、更新時期が早まっている

過去の見積書や工事の記録が残っていれば、ぜひ見せてください。「前回どこまでやったか」が分かると、今回どこを見るべきかが絞れます。

優先順位のつけ方

2回目は金額が大きくなるので、全部を一度にやらない判断も出てきます。順番はこうです。

  • 1位:人に危害が及ぶもの(鉄骨階段の腐食、タイルの浮き、手すりのグラつき)
  • 2位:水の入口(屋上防水、シーリング、0.3mm以上のひび、爆裂)
  • 3位:資産価値と入居率(外壁塗装、共用廊下の床)
  • 4位:見た目だけの部分
3位を1年遅らせるのは、あり得る判断です
外壁塗装は1年待っても致命傷になりません。階段の腐食と雨漏りは、待つと確実に高くつきます。予算が足りないときは、この順で切っていきます。
逆に「見た目だけ先に直して、階段は次回」という判断はおすすめしません。事故が起きたときの責任は、建物の所有者にあります。

3回目はあるのか——建て替えとの分岐

築40年を超えると、「3回目をやるか、建て替え売却か」という判断になります。ざっくりした目安は:

  • 修繕費が、その建物であと10年で得られる家賃収入の3割を超える → 建て替え・売却も検討
  • 入居率が5割を切っている → 修繕しても回収が難しい可能性
  • 土地の評価が高いエリア → 建て替えのほうが有利なことも

私たちは建て替えの営業はしません。「今回は最低限にとどめて、5年後に建て替えを検討されては」とお伝えすることもあります。

2回目こそ、診断の精度が効きます
1回目は「一式で塗ればいい」でも通用しますが、2回目はどこがどれだけ傷んでいるかを数量で把握しないと、見積もりが出せません。ひびの長さ、爆裂の箇所数、鉄部の腐食範囲。全部数えて、数量×単価でお出しします。診断は無料です。
診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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