築40年のアパート、直すか建て替えるか。数字で決める方法
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日
築40年近くなると、修繕の見積もりを見て手が止まります。「この建物に、これだけ使う価値があるのか」
感覚では決められません。数字で並べれば、答えは意外とはっきりします。
判断する材料は4つだけです
- ① 修繕にいくらかかるか(見積もりで出ます)
- ② あと何年使えるか(法定耐用年数ではなく、実際の状態)
- ③ いまの家賃収入と入居率
- ④ 土地の価値(建て替えるべきエリアか)
まず、いちばん簡単な計算
修繕費 ÷ (年間家賃収入 × あと持たせる年数) が 30%を超えるか
例:年間家賃収入300万円、あと10年持たせるつもり → 分母は3,000万円。
修繕費が900万円を超えるなら、建て替え・売却も含めて考えたほうがいい水準です。
修繕費が300万円(10%)なら、直して持つほうがほぼ確実に有利です。
例:年間家賃収入300万円、あと10年持たせるつもり → 分母は3,000万円。
修繕費が900万円を超えるなら、建て替え・売却も含めて考えたほうがいい水準です。
修繕費が300万円(10%)なら、直して持つほうがほぼ確実に有利です。
これは大まかな目安ですが、判断の入口としては十分に使えます。
3つの選択肢を並べる
| 修繕して持つ | 建て替える | 売却する | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 200〜1,000万円 | 6,000万円〜(木造6戸) | 0(仲介手数料等) |
| 期間 | 1〜3ヶ月 | 解体〜完成で1年以上 | 3〜6ヶ月 |
| 入居者 | そのまま | 全戸退去が必要(立ち退き交渉・立退料) | そのまま引き継ぎ(オーナーチェンジ) |
| その後の収入 | 現状維持 | 新築家賃で大きく上がる | なくなる |
| リスク | 次の修繕がまた来る | 借入・空室リスク・工事中の無収入期間 | 売却価格が想定を下回る |
建て替えで見落とされがちなこと
- 立ち退き:全戸退去してもらう必要があります。立退料は1戸あたり家賃の6〜12ヶ月分が目安。6戸なら200〜400万円。交渉に1年かかることもあります
- 解体費:木造6戸で200〜400万円(アスベストがあれば追加)
- 工事中の無収入期間:解体〜完成まで1年なら、家賃収入がまるまる1年ゼロ
- 再建築できるか:接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない土地は、建て替えられません。この場合、修繕して使い続けるか、売却するかの2択になります
- 建ぺい率・容積率:法改正で、いまの建物と同じ規模が建てられないことがあります(既存不適格)
まず「再建築できる土地か」を確認してください
接道条件を満たしていない土地では、建て替えという選択肢がそもそもありません。この場合、修繕して使い続けるほうが合理的になります。法務局の公図と、市の建築指導課で確認できます。
接道条件を満たしていない土地では、建て替えという選択肢がそもそもありません。この場合、修繕して使い続けるほうが合理的になります。法務局の公図と、市の建築指導課で確認できます。
修繕を選ぶべきケース
- 入居率が8割以上で、まだ需要がある
- 修繕費が年間家賃収入の1〜2年分以内
- 再建築ができない土地
- 相続の予定があり、大きな借入をしたくない
- あと10〜15年、いまの収入を維持できれば十分
建て替え・売却を検討すべきケース
- 入居率が5割を切っている(修繕しても埋まらない可能性)
- 修繕費が年間家賃収入の3年分を超える
- 建物に構造的な問題がある(旧耐震で、耐震補強に多額がかかる)
- 駅近など土地の価値が高いのに、低層の古い建物が建っている
- 相続人が複数いて、共有の解消が必要
私たちの立場から、正直に
私たちは修繕をする会社なので、本来は「直しましょう」と言うべきです。でも、入居率が5割を切った築40年の建物に500万円かけても、回収できないことが多い。そういうときは、はっきりそう申し上げます。
逆に、「まだ十分いける建物」を建て替えの営業で壊してしまうケースも見てきました。判断の材料を持たないまま話を進めるのが、いちばん危ない。
「直さないほうがいい」という診断もします
現地を見て、状態と概算を報告書にします。そのうえで、修繕・建て替え・売却のどれが数字上有利かをお伝えします。工事のご依頼につながらなくても構いません。診断は無料です。
現地を見て、状態と概算を報告書にします。そのうえで、修繕・建て替え・売却のどれが数字上有利かをお伝えします。工事のご依頼につながらなくても構いません。診断は無料です。
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