1981年以前のアパート。旧耐震のまま持ち続けるか、どうするか

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物は、いわゆる「旧耐震基準」です。それ以降が「新耐震基準」。この線引きは、いろいろな場面で効いてきます。

築45年前後のアパートをお持ちなら、まず確認済証の日付を見てください。判断の出発点はそこです。

何が違うのか

旧耐震(1981年5月以前) 新耐震(1981年6月以降)
想定 震度5強程度で倒壊しない 震度6強〜7でも倒壊しない
融資 金融機関によっては審査が厳しくなる 通常
売却 買い手の融資が付きにくく、価格が下がる要因 通常
補助制度 耐震診断・改修の補助対象になりやすい 対象外のことが多い

※木造については1981年に加えて2000年(平成12年)の基準改正もあり、2000年以前の木造は接合部の金物などが現行と異なることがあります。

耐震診断は、まず「受けるかどうか」から

耐震診断を受けると、結果が数値(上部構造評点など)で出ます。ここで悩ましいのは、「診断を受けて、悪い結果が出たらどうするか」という点です。

知ってしまったら、対応が必要になります
これは正直な話です。診断で「危険」と出た建物を、知りながら何も対策せずに貸し続けるのは、万一のときに立場が悪くなります。
ただ、逆に言えば知らないまま地震が来るほうが、はるかに悪い。入居者の命が関わります。診断を受けるなら、結果が悪かった場合の対応まで含めて考えておくのがいいと思います。

補助制度があります

名古屋市を含む多くの自治体で、旧耐震の建物の耐震診断・耐震改修に補助制度があります。内容と対象は年度ごとに変わるので、市の担当課に確認してください。

  • 賃貸物件が対象になるか(制度による)
  • 診断の補助と改修の補助は別の制度のことが多い
  • 着工前の申請が必須
  • 予算枠があり、年度の早い時期に動くほうが有利

外装修繕と、どちらを優先するか

予算が限られているとき、悩ましい判断です。私たちの考えはこうです。

状況 優先すべきこと
雨漏りしている/鉄骨階段が腐食 外装が先。いま起きている危険のほうが確率が高い
外装は健全、耐震だけが課題 耐震診断へ。補助が使えるうちに
両方やる予算がない、あと10年で建て替え予定 最低限の安全確保(階段・落下物)+建て替え計画を前倒し
入居率が低く、収支が厳しい 耐震改修に数百万〜1,000万円かけるより、売却・建て替えの検討

正直に言えば、旧耐震のアパートに大きな耐震改修費をかけて回収するのは、簡単ではありません。だからこそ、建物の残り寿命と収支から逆算する必要があります。

外装工事でも、安全性は上げられます

耐震改修ほど大がかりでなくても、地震のときの被害を減らす工事はあります。

  • 外壁タイル・モルタルの浮きを固定:地震で剥落するのを防ぐ
  • ブロック塀の撤去・軽量化:倒壊の危険をなくす(補助制度があることも)
  • 鉄骨階段の補修:避難経路の確保
  • 屋根の軽量化:重い瓦を金属屋根に葺き替えると、建物の揺れが小さくなります

特に最後の屋根の軽量化は、耐震改修に近い効果があります。重い屋根ほど地震のときの力が大きくなるためです。カバー工法・葺き替えを検討する際は、この観点も入れてください。

売却を考えるなら、早いほうが有利

旧耐震の建物は、時間が経つほど売りにくくなります。買い手の融資が付きにくく、市場での評価も下がる方向です。

「あと10年持たせてから売ろう」と考えていると、そのときには土地値でしか売れない可能性があります。逆に、いま入居率が保てているうちなら、収益物件として評価されます。

私たちができるのは、外装の部分だけです
耐震診断・耐震改修は、専門の建築士・施工会社の領域です。当社ではお請けできません。ただ、外装の状態と、落下物のリスク、屋根の重さについてはお伝えできます。
「この建物に、これ以上お金をかけるべきか」の判断材料として、現状の報告書をお出しします。診断は無料です。
診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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