「近所で工事をしていまして」と来た業者への対応。オーナーが狙われる理由

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

「近所で工事をしておりまして、足場があるうちにご一緒にいかがですか」
屋根が浮いているのが見えたので、お知らせに来ました」

賃貸オーナー様は、こうした訪問を受けやすい立場にあります。建物が複数あり、金額の判断がつきにくく、決裁権を持っている——営業する側から見ると、条件が揃っているからです。

すべての訪問業者が悪いわけではありません。ただ、判断の材料は持っておいたほうがいい。施工会社の側から、正直に書きます。

よく使われる話法と、その裏側

言われること 実際のところ
「近所で工事をしているので、足場を安くできます」 足場は物件ごとに組みます。他所の現場の足場を流用することはできません。運搬費がわずかに浮く程度で、大幅な値引きの根拠にはなりません
「足場代が無料になります」 足場は実費です。他の項目に上乗せされているだけのことが多い
「モニター価格でお安くします」 そのままの金額で契約すると相場並み、ということがあります。値引き前の金額が妥当かを見るべきです
「今日決めていただければ」 まともな会社は急がせません。建物は明日も逃げません
「屋根が浮いています。無料で見ます」 屋根に上がられた結果、必要のない工事をすすめられることがあります。ひどい場合は、上がったときに壊されるケースも報告されています
「火災保険で自己負担ゼロになります」 保険が下りるかを決めるのは保険会社です。断言する業者は要注意。虚偽の申請は保険金詐欺になります
屋根には、簡単に上がらせないでください
「無料点検」で屋根に上がり、撮影した写真が本当にその建物のものか分からないケースがあります。他所の傷んだ屋根の写真を見せられても、オーナー様には判別できません。
対策はシンプルで、点検には立ち会うこと。そしてドローンで撮ってもらう(地上のモニターで一緒に見られます)。私たちがドローンを使うのは、この透明性のためでもあります。

断るときの言葉

建物のことを言われると不安になりますが、その場で決める必要はまったくありません。

  • 付き合いのある業者に見てもらいますので、結構です」(いちばん角が立ちません)
  • 管理会社を通していますので」
  • 「見積もりだけなら受け取りますが、他社にも出してもらいます
  • 玄関を開ける必要もありません。インターホン越しで十分です

それでも引き下がらない場合は、会社名・担当者名・建設業許可番号を聞いてください。まっとうな会社なら答えます。答えられない、あるいは曖昧にする場合は、それが答えです。

もし契約してしまったら:クーリングオフ

訪問販売による契約は、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、理由なく解除できます(特定商取引法)。工事が始まっていても、原則として原状回復の費用を請求されません。

  • 書面(ハガキで可)で通知します。内容は「契約年月日・商品名・契約金額・会社名・解除する旨」
  • 特定記録郵便や簡易書留で送り、コピーを控えておく
  • クーリングオフの説明がなかった場合や、書面に不備がある場合は8日を過ぎても解除できることがあります
  • 迷ったら消費者ホットライン「188」(局番なし)へ。名古屋市の消費生活センターにもつながります

※ ここに書いたのは一般的な制度の説明です。個別の事案は、上記の窓口や弁護士にご相談ください。

見分けるための、たった1つの質問

いろいろ書きましたが、実務的にはこれで足ります。

「数量と単価を入れた見積書を出してもらえますか」
外壁◯㎡×◯円、シーリング◯m×◯円、足場◯㎡×◯円。この形で出せる会社は、現地をちゃんと測っています。「一式」でしか書けない会社は、測っていないか、比較されたくないかのどちらかです。
そして、出てきた見積書を他社と比べてください。1社だけで決めない。これだけで、ほとんどの失敗は避けられます。

私たちは訪問営業をしません

飛び込みの営業、電話での営業はしていません。ご依頼があってから伺います。診断のあとも、その場で契約をお願いすることはありません。報告書をお渡しして、一度考えていただきます。

「他社に見てもらったが、この見積もりが妥当か分からない」というご相談も歓迎です。無料でお答えします。

診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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