手抜き工事は、終わったあとには見抜けません。工事中に見るべき5つ
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日
厳しいことを書きます。塗装の手抜きは、工事が終わったあとでは見抜けません。
2回塗りも3回塗りも、完成した壁を見た目で区別することはできません。下地処理をしたかどうかも、上から塗ってしまえば分かりません。問題が表に出るのは3〜5年後、剥がれてきたときです。そのころには業者がいなくなっていることもあります。
だから、工事中に見るしかありません。難しいことではないので、ここに書きます。
① 塗る回数:下塗り・中塗り・上塗りの3回
外壁塗装は3回塗りが基本です。下塗り(下地と塗料を密着させる)、中塗り、上塗り。中塗りと上塗りは同じ塗料を2回重ねます。
確認方法:中塗りと上塗りで色を少し変えてもらうことです。そうすれば、2回塗ったことが目で見て分かります。「色を変えられますか」と聞いて渋る会社は、避けたほうがいいかもしれません。
もうひとつ、工程ごとの写真を撮ってもらうこと。下塗り後・中塗り後・上塗り後の同じ場所の写真があれば、記録として残ります。
② 下地処理:塗る前に何をしたか
塗装の品質は、塗る前の作業でほぼ決まります。
- 高圧洗浄:チョーキング(白い粉)と汚れを完全に落とす。これが残っていると上から塗っても密着しません
- ケレン:鉄部のサビを削り落とす。サビの上から塗ると、下から膨らんできます
- ひび割れ補修:0.3mm以上のひびはUカット(Vカット)してシーリングを充填してから塗る
- 養生:窓・サッシ・地面をビニールで覆う。ここが雑な会社は、他も雑です
確認方法:高圧洗浄の日と、下地補修の日に現場を見てください。洗浄後の壁が濡れて色が変わっている状態を見れば、ちゃんと洗ったか分かります。
③ 乾燥時間:1日で2工程は無理です
塗料には乾燥時間が決まっています。多くの塗料で、次の工程まで4時間以上(気温23℃の場合)、冬場はもっと必要です。
朝に下塗りして、昼に中塗り、夕方に上塗り——これは物理的に無理があります。表面が乾いていても、中が乾いていません。数年後に膨れます。
確認方法:工程表で、外壁の各工程が別の日に分かれているか。同じ日に2工程入っていたら、理由を聞いてください。
④ 希釈率:水やシンナーで薄めすぎていないか
塗料は缶のまま塗るのではなく、規定の割合で薄めます。この割合はメーカーが決めていて、5%と書いてあるものを20%に薄めれば、塗料の量が減って業者は儲かります。そして性能は落ちます。
確認方法:これは現場で見るのが難しい項目です。代わりに「使った塗料の空き缶を見せてください」とお願いしてください。塗る面積に対して必要な缶数は計算できます(塗料の缶に「◯㎡塗れます」と書いてあります)。缶が明らかに少なければ、薄めているか、塗る回数が足りていません。
一般的なシリコン塗料で、1缶(15kg)あたり60〜80㎡塗れます(1回あたり)。430㎡を2回(中塗り+上塗り)なら860㎡ぶん。11〜14缶が目安です。下塗り材も別に必要です。空き缶が5缶しかなければ、明らかにおかしい。
⑤ シーリングの厚みと、撤去したかどうか
前述のとおり、シーリングは「打ち替え」と「増し打ち」で単価が倍以上違います。撤去した古いシーリングは、ゴミとして現場に出ます。それを見せてもらえば、打ち替えたことが確認できます。
報告があるかどうかが、いちばん確実な防波堤
ここまで書きましたが、オーナー様が毎日現場に来るのは現実的ではありません。だから、業者側が記録を残しているかどうかが決め手になります。
- 週1回、写真つきの進捗報告があるか
- 工程ごとの写真(下塗り・中塗り・上塗り)が撮られているか
- 完了後に施工前後の写真をまとめた報告書が出るか
私たちは、遠方のオーナー様にも週1回の写真報告と、完工時の報告書をお渡ししています。見られている前提で工事をする——それが一番の品質管理だと思っています。
数年前の工事が剥がれてきた、という相談も受けています。剥がれ方を見れば、下地処理が原因か、塗料の選択が原因か、経年なのかはある程度判断できます。現状の調査だけでも承ります。他社様が施工した物件でも構いません。
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