サイディングが反ってきた、釘が浮いてきた。塗装で直る?

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

木造・軽量鉄骨のアパートで、いちばん多い外壁材が窯業系サイディングです。セメントに繊維を混ぜて板状にしたもので、1990年代以降の建物のほとんどがこれです。

この材料の弱点は水を吸うこと。そして水を吸ったサイディングは、塗装では元に戻りません。

なぜ反るのか

  • ① 塗膜が劣化して、防水性能が落ちる
  • ② サイディングが水を吸う(特に板の裏側・切り口・釘穴から)
  • ③ 表と裏で含水率に差ができ、板が反る
  • ④ 冬に吸った水が凍って膨張し、内部から破壊される(凍害)
  • ⑤ 反った板が釘を押し出す = 釘の浮き

名古屋は真冬でも氷点下になる日があるので、北面や日陰の壁では凍害が起きます。板の表面がポロポロ崩れているのを見たら、それです。

症状別の判断

症状 塗装で直るか 対応
色あせ・チョーキング ◎ 直る 通常の塗り替え
シーリングの切れ 打ち替え(塗装とセット)
釘・ビスの浮き(数本) 打ち直してから塗装。頭の錆止めも
板の反り(数枚) × 直らない ビスで留め直す、または部分交換
板の欠け・割れ × 直らない 部分交換(同じ柄が入手できるか要確認)
表面がボロボロ崩れる(凍害) × 直らない 部分交換または全面カバー
広範囲に反り・浮き × 直らない カバー工法または張り替え
反ったまま塗ると、どうなるか
塗装は板と板の隙間を埋めません。反った状態が固定されるだけです。そして隙間からは水が入り続けるので、3〜5年で塗膜ごと剥がれます。
「反っていますが、塗れば大丈夫ですよ」と言う業者には、「反りは塗装で戻りますか」と聞いてみてください。戻りません。

選択肢と費用(木造2階建6戸の場合)

方法 費用の目安 もち 向くケース
塗装のみ 80〜150万円 10〜13年 反りがなく、塗膜の劣化だけ
部分交換+塗装 100〜200万円 10〜13年 数枚だけ傷んでいる
カバー工法
(上から金属サイディング)
200〜350万円 25〜30年 広範囲に反り・凍害。断熱性も上がる
張り替え 280〜450万円 30年〜 下地(防水シート)も傷んでいる

カバー工法は、既存のサイディングを剥がさずに上から金属サイディングを張る方法です。廃材が出ず、工期も短い。ただし建物の重量が増えるので、構造の確認が必要です。

部分交換の注意点

同じ柄のサイディングが、もう製造されていないことがあります。10年以上前の製品だと、廃番になっている可能性が高い。

  • 近い柄で代替する(塗装すれば目立ちにくくなります)
  • 面ごと交換する(1面まるごとなら、柄の違いが目立ちません)
  • 塗りつぶしを前提に、柄より凹凸の深さを合わせる

釘とビス、どちらで留まっているか

サイディングの留め方は2種類あります。

  • 釘打ち(直張り):古い建物に多い。板の表から釘を打つ。釘穴から水が入りやすい
  • 金具留め(通気工法):2000年前後から主流。板の裏に空気の通り道があり、湿気が抜ける

直張りの建物は、反りと凍害が起きやすい傾向があります。壁を叩いて「コンコン」と軽い音がすれば通気工法、詰まった音なら直張りの可能性があります。

カバー工法や張り替えをする場合は、通気工法に変えられます。これが長期的にはいちばん効きます。

反りは、触れば分かります
板と板の継ぎ目に指を当ててみてください。段差ができていたら反っています。1階部分ならご自身で確認できます。
「塗装で足りるのか、交換が要るのか」の判断だけでも見に行きます。交換が不要なら「塗装で大丈夫です」とお伝えします。調査は無料です。
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