コンクリートの爆裂と中性化。RC造のオーナーが知っておくべきこと

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

RC造の建物で、外壁の一部が茶色い汁を垂らしながら欠けているのを見たことはありませんか。あるいは、割れた隙間から錆びた鉄の棒が見えている。あれが「爆裂」です。

これは見た目の問題ではありません。建物の構造に関わる劣化なので、優先度がまったく違います。

なぜコンクリートが割れるのか

順番はこうです。

  • ひび割れや塗膜の切れから、雨水と空気(二酸化炭素)が入る
  • ② コンクリートは本来アルカリ性で、中の鉄筋を錆から守っている。しかし空気に触れ続けると中性に近づく(中性化)
  • ③ 守りを失った鉄筋が錆びる
  • ④ 錆びた鉄は体積が約2.5倍に膨らむ
  • ⑤ 膨らんだ鉄が、内側からコンクリートを押し割る = 爆裂

中性化は、目に見えないところで少しずつ進みます。一般に1年で0.5〜1mm程度進むと言われ、鉄筋のかぶり厚(表面から鉄筋までの距離、通常30〜40mm)に達すると錆が始まります。築30〜50年で問題になる建物が多いのは、この計算からです。

塗装には、中性化を「止める」意味があります
外壁塗装は見た目のためだけではありません。塗膜が二酸化炭素と水の侵入を遮ることで、中性化の進行を遅らせます。RC造の建物にとって、定期的な塗り替えは構造を守るメンテナンスでもあります。ここは意外と知られていません。

爆裂の補修手順

手順 作業 なぜ必要か
1. 斫り(はつり) 浮いたコンクリートを叩き落とす 錆びた鉄筋の裏側まで出さないと処理できない
2. ケレン 鉄筋の錆をワイヤーブラシ等で落とす 錆を残すと、そこから再発する
3. 防錆処理 鉄筋に防錆材を塗る 二度と錆びさせないため
4. 断面修復 ポリマーセメントモルタルで元の形に復旧 かぶり厚を回復させる
5. 仕上げ 周囲と平らにして塗装 再び水を入れない

単価の目安は 8,000〜20,000円/箇所(範囲と深さによる)。箇所数が多い場合は㎡単位で計算します。

ここで大事なのは、「上からモルタルを詰めて塗る」だけの補修では必ず再発することです。錆びた鉄筋をそのままにして蓋をしても、内側で錆は進み続けます。数年後に、隣が同じように割れます。

調査でわかること

  • 打診調査:叩いて音の違いで、浮いている範囲を特定する
  • 中性化試験:コンクリートに薬品(フェノールフタレイン)を吹き付け、色の変化で中性化の深さを測る。ピンクに染まらない部分が中性化している範囲
  • かぶり厚の測定:電磁波レーダーで鉄筋の位置と深さを調べる

大規模修繕の際、1〜2箇所でも中性化試験をしておくと、次の修繕計画が立てやすくなります。「あと何年でどこまで進むか」が計算できるからです。費用は1箇所あたり2〜5万円程度です。

優先順位はどうつけるか

予算に限りがある場合、私たちはこの順でおすすめしています。

  • 1位:爆裂・鉄筋露出の補修(構造に関わる。放置は不可)
  • 2位:0.3mm以上のひび割れ(水の入口を塞ぐ)
  • 3位:屋上防水(上からの水を止める)
  • 4位:外壁塗装(中性化の進行を遅らせる)
  • 5位:見た目に関わる部分

順番の考え方は共通していて、「水の入口を塞ぐ工事」が先、「見た目の工事」が後です。

鉄筋が見えていたら、その年のうちに
茶色い汁(錆汁)が出ている、コンクリートが浮いている、鉄が見えている。このどれかに当てはまるなら、次の修繕まで待たずに見てもらってください。範囲が広がるほど、費用は指数的に増えます。調査とお見積りは無料です。
診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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