数年前に塗ったのに剥がれてきた。施工不良の見極めと、次の一手

公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日

大規模修繕の施工写真

「5年前に塗ったのに、もう剥がれてきた」。こういうご相談を、他社様が施工された物件で受けることがあります。

気持ちとしては「手抜きだったのでは」と思うところですが、原因はいくつかあり、それによって取れる手も変わります。まず原因の切り分けから。

剥がれ方で、原因はある程度分かります

症状 考えられる原因 施工不良の可能性
塗膜がペリペリと面で剥がれる(下地が見える) 下地処理の不足。汚れやチョーキングの上から塗った 高い
塗膜が膨れている 下地の水分が抜けていない。または乾燥時間を守っていない 高い
鉄部で錆が塗膜を押し上げている ケレン不足。錆の上から塗った 高い
塗膜が粉になる(チョーキング) 塗料の耐用年数。5年でこれなら塗料が安すぎたか、薄めすぎ
色あせだけ 紫外線による自然な劣化 低(南面は特に早い)
ひび割れが同じ場所に再発 建物の動きが原因。塗装では止まりません 低(ただし説明義務はある)
「面で剥がれる」のが、いちばん分かりやすいサインです
塗膜が下地からきれいに剥がれて、裏側に元の塗膜や汚れが付いているなら、密着していなかったということです。高圧洗浄が不十分だったか、下塗り材を省いたか、下塗りと上塗りの相性が悪かったか。
逆に、下地ごと一緒に剥がれている場合は、下地そのものが傷んでいた可能性があります。この場合は施工不良とは言い切れません。

まず、書類を確認してください

  • 保証書:部位ごとの年数と、免責事項
  • 見積書・仕様書:使う予定だった塗料と、塗る回数
  • 完了報告書の写真:下地補修や下塗りの記録があるか

「見積書には3回塗りと書いてあるのに、5年で剥がれた」——この状態なら、施工会社に説明を求める根拠があります。

逆に、書類が何も残っていないと、話が進みにくいのが現実です。これが「工事のあとに書類をもらっておく」ことの意味です。

施工会社への伝え方

感情的に「手抜きだろう」と切り出すと、話がこじれます。事実を並べて聞くほうが、結果的に早く動きます。

  • いつ工事をして、いつ症状に気づいたか
  • どこが、どのように剥がれているか(写真を撮っておく
  • 保証書の内容と照らして、対象になるかを確認したいと伝える
  • 「原因を説明してください」と聞く(対応の可否より、まず原因)

まっとうな会社なら、見に来て原因を説明します。説明を避ける、連絡が取れない、経年の一言で終わらせる——このどれかなら、その会社との関係はそこまでです。

保証が使えないときの現実的な選択

残念ながら、次のようなケースでは保証が使えません。

  • 施工会社が廃業している(自社保証は、会社があってこそです)
  • 保証期間が過ぎている
  • 免責事項(下地の劣化・自然災害)に該当する

この場合は、次の工事で「同じことを繰り返さない」ことに集中するしかありません。具体的には:

  • 剥がれた塗膜を全部落としてから塗る(残したまま上塗りすると、また同じことになります)
  • 下地の状態を確認し、必要な補修をしてから
  • 下塗り材を、下地に合ったものに変える(密着を確認する試験施工をすることもあります)
  • 工程ごとの写真を必ず残してもらう

第三者に見てもらう手もあります

施工会社と意見が食い違う場合、別の業者に現状を見てもらうのは有効です。原因についての第三者の見解があると、話が整理されます。

公的な相談先としては、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)や、各地の消費生活センター(局番なし188)があります。専門家相談を無料で受けられる制度もあります。

他社施工の物件の調査も承ります
「これは施工不良か、経年か」を判断するための調査だけでも構いません。剥がれ方、下地の状態、塗膜の厚みを見て、分かる範囲でお伝えします。そのまま元の施工会社に交渉していただいて構いません。調査は無料です。
もちろん、当社が「これは施工不良です」と言ったからといって、それが法的な判断になるわけではありません。あくまで技術的な見解としてお伝えします。
診断・お見積りは無料です 部位ごとに「あと何年もつか」を判定した報告書と、数量・単価入りの内訳見積をお渡しします。その場で契約を迫ることはしません。
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