足場代の㎡単価は700〜1,000円。計算方法と、3階建ての実額
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月19日
見積書のいちばん上に出てくる「仮設足場」。総額の2〜3割を占める、いちばん大きな項目です。ここの計算方法を知っておくと、見積もりが読めるようになります。
足場代の計算式
足場は「掛け面積(かけめんせき)」×単価で計算します。掛け面積は、塗る壁の面積ではありません。足場を組む面の面積です。
「+8m」は、建物の四隅で足場が外側に出る分(1面あたり約1m×4面×2)です。会社によって「+6m」「+10m」など多少の違いがありますが、考え方は同じです。
たとえば、間口10m×奥行8m、高さ6mの2階建アパートなら:
- 外周=(10+8)×2=36m
- 掛け面積=(36+8)×6=264㎡
- 足場代=264㎡ × 950円=約25万円
これにメッシュシート(150〜250円/㎡)が加わり、運搬費・組立解体の人件費が含まれます。実際の見積もりでは「仮設足場(メッシュシート共)」として1行にまとまっていることが多いです。
㎡単価はいくらか。実際の契約書の数字です
「相場はいくら?」とよく聞かれるので、当社が実際に契約した現場の単価を出します。金額は契約見積書の実数です。
| 現場 | 掛け面積 | ㎡単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 昭和区のマンション(4階建・築25年) 仮設足場組立 |
753㎡ | 700円 | 527,100円 |
| 同上/飛散防止シート | 753㎡ | 200円 | 150,600円 |
| 同上/合計 | - | 900円 | 677,700円 |
| 中村区のマンション(3階建・築30年) 足場+メッシュシート |
670㎡ | 700円 | 469,000円 |
名古屋市内の集合住宅で、足場本体が700〜1,000円/㎡、飛散防止シートが150〜250円/㎡。この2つを合わせた数字が見積書に載ります。上の2件はどちらも足場本体700円でした。
「足場の平米単価」で調べると600〜1,500円と幅のある数字が出てきますが、幅の理由は建物の条件です(次の「単価が上がるケース」を参照)。条件が普通なら700〜1,000円に収まります。
それぞれの現場の全体像は昭和区のマンション(500万円の内訳を全公開)と中村区のマンション(712万円)で見られます。
3階建ての場合、いくらになるか
「3階建ての足場費用」を調べる方が多いので、具体的に計算してみます。
外周 =(12+9)×2=42m
掛け面積 =(42+8)×9=450㎡
足場代 =450㎡ × 700円=315,000円
飛散防止シート =450㎡ × 200円=90,000円
合計 =約40万円
3階建ての高さは、建物によって8〜10mくらいの幅があります。階高(1階分の高さ)はおおむね2.8〜3.2mなので、3階建てなら8.4〜9.6m。屋上のパラペット(立ち上がり)がある建物はもう少し高くなります。
実際の現場では、中村区の3階建てマンション(上の例より外周が大きい建物)で670㎡・46万9千円でした。同じ3階建てでも、建物の外周の長さで倍近く変わります。
自分の建物でざっくり計算したいときは、外周を測って+8m、それに高さを掛けて、700〜1,000円を掛ける。これで見積書の足場代が妥当かどうか判断できます。
建物別の実額
| 建物 | 掛け面積の目安 | 足場代 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 木造2階建 6戸 | 250〜350㎡ | 25〜40万円 | 約15〜20% |
| 軽量鉄骨3階建 9戸 | 500〜700㎡ | 50〜80万円 | 約15% |
| RC 4階建 | 700〜1,000㎡ | 70〜120万円 | 約12〜18% |
| RC 5階建 20戸 | 1,200〜1,800㎡ | 120〜200万円 | 約10% |
意外に思われるかもしれませんが、建物が大きいほど、総額に占める足場の割合は下がります。小さいアパートほど足場の比率が重いので、「足場を組むなら、そのとき全部やる」判断が効いてきます。
単価が上がるケース
- 隣地との距離が近い(60cm以下):通常の足場が組めず、単管足場や特殊な組み方に。1.2〜1.5倍
- 道路にはみ出す:道路使用許可の申請が必要。歩道側にはガードマンの配置が必要になることも
- 屋根の勾配がきつい:屋根足場が別途必要(+5〜15万円)
- 敷地に高低差がある:ジャッキベースの調整や、追加の段が必要
- 搬入経路が狭い:材料を手運びする距離が長いと、人件費が増えます
「足場代無料」の広告について
チラシや訪問販売でよく見ますが、足場は実費です。職人が組み、材料をトラックで運び、リースの費用がかかります。無料にできるものではありません。
実際に何が起きているかというと、他の項目に上乗せされているだけです。「足場代30万円が無料」と言いながら、外壁の㎡単価が相場より500円高ければ、430㎡で21万円。差額はほとんど埋まります。
足場が無料かどうかではなく、総額がいくらで、その中身がどうなっているか。数量と単価が書かれた明細があれば、こういう見せ方の違いに惑わされません。
足場代を本当に減らす唯一の方法
値切ることではありません。組む回数を減らすことです。
外壁塗装で1回、3年後にシーリングで1回、その3年後に屋上防水で1回——と分けると、足場代を3回払うことになります。木造6戸なら、それだけで75〜120万円を足場に使う計算です。
一方、まとめて1回で済ませれば25〜40万円。差額の50〜80万円は、そのまま塗料や防水材のグレードアップに回せます。これが「まとめてやったほうが安い」の中身です。
足場が要らない工事もあります
- 共用廊下・階段の長尺シート
- 1〜2階の鉄部塗装(脚立・可搬式作業台で届く範囲)
- 屋上の平場だけの防水(立ち上がりや笠木に手を入れない場合)
- ベランダ内部のFRP防水
予算が限られているときは、足場が要る工事と要らない工事を分けて考えると、無理なく進められます。私たちの診断では、そこも分けてご提案しています。
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