工事中に入居者から苦情が来ないために。挨拶・掲示・洗濯物の実務
公開 2026年9月9日/更新 2026年9月11日
オーナー様が大規模修繕をためらう理由の上位に、「入居者から苦情が来るのが心配」があります。実際、対応を間違えると退去につながります。
逆に言えば、やることは決まっていて、そのとおりにやれば苦情はほぼ出ません。この記事では、私たちが実際にやっている手順をそのまま公開します。他社に依頼される場合も、この項目ができているか確認してみてください。
苦情になるのは、たいてい「知らされていなかった」とき
工事そのものより、予告なしに起きたことに人は腹を立てます。
- 朝、洗濯物を干したら、昼に高圧洗浄が始まった
- 知らないうちに足場が組まれ、窓の外に人がいた
- いつ終わるのか誰も教えてくれない
- 臭いが出る日を知らされていなかった
どれも、事前に伝えておけば起きません。
着工1週間前:ご挨拶と工程表の投函
全戸に、工事の概要・期間・担当者名・連絡先を書いた書面を投函します。可能な範囲で直接ご挨拶もします。ここで「顔と名前」を伝えておくと、その後の空気が変わります。
近隣(隣接する建物・向かいの家)にもご挨拶に伺います。足場の音や職人の出入りは、隣の家にも影響するためです。
掲示物:週ごとに「今週やること」を貼る
全期間の工程表を1枚貼っただけでは、入居者様は見ません。週の初めに「今週の作業」を掲示し、その中で次の3つを必ず書きます。
- 洗濯物を外に干せない日(高圧洗浄・塗装の日)
- 窓を開けられない日(塗装・防水プライマーの日)
- 作業時間(何時から何時まで/日曜は休みか)
掲示物は当社が作成して貼ります。オーナー様に作っていただくことはありません。
足場があるあいだの防犯
足場は、2階以上の窓への「階段」になります。ここは正直にお伝えして、対策をします。
- 足場の外周に防犯センサー(アラーム)を設置する
- 1階からの上り口に侵入防止のパネルを付ける
- 「工事期間中は必ず施錠を」の掲示を出す
単身女性の多い物件では特に気にされる点なので、事前に案内しておくと安心されます。
ベランダに物が置いてあると塗装できません。ただ、入居者様に「片づけてください」とだけ伝えると角が立ちます。いつまでに、どこまで寄せてほしいかを具体的に書き、当日不在でも作業できるよう「一時的にこちらで寄せてよいか」の確認欄を作っています。
工事中の問い合わせは、当社が受けます
掲示物には当社の現場担当の連絡先を書きます。オーナー様の電話番号は載せません。「音がうるさい」「いつ終わるのか」といった連絡は全部こちらで受けます。
オーナー様が遠方にお住まいの場合も、週1回、写真つきで進捗をご報告しますので、現場に来ていただく必要はありません。
それでも苦情が出たときは
ゼロにはなりません。出たときは、その日のうちに現場担当が直接伺います。そして内容と対応をオーナー様に報告します。後から「実はこんなことがあって」と知るのがいちばん困りますよね。
建物がきれいになることは、入居者様にとっても嬉しいことです。丁寧に進めれば「ちゃんと手を入れてくれる大家さんだ」と伝わります。実際、工事後に更新率が上がったという話をいただくことがあります。
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